石川県・金沢市の実家、遠方に住んでいても売却できますか?荷物の片付けはどうする?

結論から言うと、遠方にお住まいでも、金沢市や野々市市にあるご実家を売却することは可能です。ただし、売却を進めるにあたっては、荷物の片付けという避けて通れないステップがあり、ここでつまずいてしまう方は少なくありません。

遠方の実家に残された大量の家具や荷物を双眼鏡で眺めてため息をつく人のイラスト
あの荷物、全部片付けるの……?

実家をどうするか考えるとき、真っ先に頭をよぎるのが「あの荷物、全部片付けないといけないのか……」という「うんざり感」ではないでしょうか?

  • 押し入れいっぱいの荷物
  • 大きなタンス
  • 物置に眠ったままの道具の数々

想像しただけで気が重くなり、「売却」も「処分」も、結局は先延ばしにしてしまう、そんな方も多いはずです。まして遠方にお住まいであれば、片付けのために何度も足を運ぶことすら難しいのが現実です。

今回は、遠方にお住まいのお客様に代わって、実家の荷物処分から売却までを私たちがどのようにサポートしたのか、その現場の様子をご紹介します。実家の今後を真剣に考えている方のヒントになれば幸いです。

この記事を読み終えると、以下のことが理解できます
  • 実家の売却に、必ずしも解体が必要というわけではないこと
  • 「更地渡し」という条件がついた場合に、何が必要になるのかということ
  • 解体工事と荷物の処分が、実はまったく別の工程であるということ
  • 立派な家具でも、査定で値段がつかないことがある現実
  • 遠方にお住まいの方が、実家の片付けで特につまずきやすいポイント
  • 現地に一度も行かなくても、実家の売却を安心して進められる具体的な流れ

自己紹介
元ホテルマンで、現在は石川県を中心に不動産業を営んでいる代表の小川です。

私自身、埼玉県の実家を、石川県に住みながら売却した経験があります。遠方からの実家売却がどれほど大変か、身をもって知ったからこそ、同じ状況にある方の力になりたいという思いで、日々の業務にあたっています。

このブログでは、実際の現場でのリアルなエピソードを通じて、遠方から実家売却を考えていらっしゃる方に、少しでもヒントをお届けできればと思っています。

目次

なぜ「気が重い」のか? 片付けが後回しになる本当の理由

実家の片付けや不用品回収トラックの前でブレーキペダルを全力で踏み込んで立ち止まる小さなお家のイラスト
「片付けなきゃ」と分かっていても、思い出の品を前に思わず心のブレーキを踏んでしまう瞬間

「片付けなきゃ」と分かってはいても、なかなか手がつかない。それは決して、怠けているからではありません。

実家の片付けが重く感じられるのには、いくつか理由があります。

ひとつは、作業量の多さです。長年暮らした家には、想像以上にたくさんの物が眠っています。何十年分もの荷物を前にすると、「どこから手をつければいいのか」すら分からなくなってしまうものです。

もうひとつは、「これは思い出があるから」「まだ使えそうだから」と、ひとつひとつの物に迷いが生まれてしまうことです。ご両親が大切にしていた品を前にすると、機械的に「捨てる」とは割り切れない気持ちになるのも当然のことだと思います。

こうした事情が重なって、「今度でいいか」とつい先延ばしにしてしまう。それは、決して珍しいことではありません。

意外と知らない実務知識

こうした気持ちの整理と同時に、知っておいていただきたいのが、不動産の取引実務です。「とにかく荷物を減らせばいい」と、不動産の知識がないまま自己判断で進めてしまうと、あとになって思わぬ損失につながることがあります。

実は、荷物が残っている実家を売却する方法には、大きく3つのアプローチがあります。

  • 買取
  • 遺品整理・片付け業者
  • 現状渡し

不動産会社に「買取」してもらう

荷物ごと引き取ってもらえるため、片付けの手間はほとんどかかりませんが、売却価格は市場価格より低めになります。

「遺品整理・片付け業者」に一括依頼する

荷物をスッキリさせた上で、仲介で市場価格に近い価格を目指せますが、まとまった費用が先にかかります。

買主様と交渉して「現状渡し」で仲介売却する

荷物を残したまま販売活動を進める方法ですが、内覧時の印象や交渉に左右されやすくなります。

どの方法が合っているかは、費用感やスケジュール、荷物の量によって変わってきます。今回ご紹介するのは、仲介による売却を選び、「更地渡し」という条件で進めたケースです。ここから、実際にどのような実務が発生するのか、順を追ってご紹介します。

①そもそも解体は必須ではないけど「更地渡し」という条件

「実家を売却する=更地にしなければならない」と思われている方も多いのですが、実はそうとは限りません。古い家がそのまま建っている状態、いわゆる「古家付き」のままでも、売却を進めること自体は可能です。

ただ、実際の実務では、買主の希望や物件の状態によって、「建物を解体し、土地の状態にしてから引き渡してほしい」という条件がつくのが一般的です。これを「更地渡し」と呼びます。老朽化が進んでいる、再建築を前提に土地を探している買主が多いといった事情から、更地渡しは決して珍しくありません。

この条件がついた場合、売主には「引き渡しまでに解体を終わらせておく」という役割が発生します。契約が決まってひと安心……というタイミングで、実はもうひと仕事残っている。ここが、多くの方が見落としがちなポイントです。

②解体と荷物処分は「別工程」という意外な事実

「更地渡し」と聞くと、「じゃあ、解体業者さんに全部お任せすればいいんですよね?」と思われる方が多いのですが、実はそうではありません。ここに、意外と知られていない落とし穴があります。

家の中に家具や日用品が残ったままの状態では、そもそも解体工事に着手することができないのです。解体業者さんは、あくまで「建物を壊す」プロであり、中の荷物ごとまとめて処分するのは、実務上とても厄介な話になってしまいます。

というのも、荷物を残したまま解体してしまうと、木くずやコンクリートといった通常の建築廃材とは別に、家具や家電、日用品などが「産業廃棄物」として扱われることになります。分別の手間も増え、処分費用が大きく跳ね上がってしまうのです。

そのため、まずは解体業者さんとは別に、専門の不用品回収・処分業者さんに入ってもらい、家の中を完全に空っぽにする作業が必要になります。「更地渡し=解体だけ考えればいい」のではなく、その前段階として「建物の中を空にする」という、もうひとつの実務が存在している。これが、多くの方が見落としがちな、もうひとつのポイントです。

③お金の心配はいりません。売却資金で清算するという考え方

「荷物の処分費用や解体費用って、先に自分で払わないといけないんですよね……?」というご質問を、よくいただきます。まとまった費用を用意しなければならないと思うと、それだけで気が重くなってしまいます。

私たちがご提案しているのは、こうした費用を、実家の売却資金の中から清算するという進め方です。つまり、片付けや解体にかかる費用を、先に持ち出しでご用意いただくのではなく、売却が完了したタイミングでまとめて精算していただく形です。

そのために大切にしているのが、事前の資金計画です。「不用品処分にいくら、解体にいくらかかりそうか」「売却価格からどれくらいの費用が差し引かれるのか」を、契約前の段階でできる限り具体的にお伝えするようにしています。あらかじめ見通しを立てておくことで、「思っていたより費用がかかった」「手元にお金がないのに支払いを求められた」といった、大きな負担が生じないよう配慮しています。

遠方にお住まいであればなおさら、「今、手元にまとまったお金がなくても大丈夫だろうか」というご不安があるかと思います。そうした不安を減らすことも、私たちの役割のひとつだと考えています。

④売れるものは、少しでも高く。 「買い取り査定」への取り組み

不用品を処分するとなると、「どうせ全部処分費用がかかるんでしょう」と思われる方も多いのですが、私たちはそこで終わらせません。少しでも売主のご負担を減らせないか。そんな思いから、処分の前に必ず「買い取れるものはないか」の査定を一緒に行うようにしています。

とはいえ、査定をすれば必ず値段がつくというわけではありません。以前担当させていただいたご実家でも、そうした現実を実感したことがありました。

ご両親が長年大切にされてきた、とても立派で大きな婚礼タンスがありました。当時はかなりの金額で購入されたとのことで、「これだけ立派なものなら、きっと値段がつくはずだ」と、売主様も私自身も、正直なところ少し期待していました。

しかし、いざ査定してもらうと、結果は「買い取り不可」。木目も美しく、状態も良いタンスだったのですが、値段がつくことはありませんでした。

理由をお伺いすると、今の住宅事情が大きく関係しているとのことでした。近年のマンションや住宅は、最初から大容量のクローゼットが備え付けられていることが多く、そもそも大きなタンスを置くスペースを想定していない間取りが主流になっています。そのため、どれほど品質が良く立派なタンスであっても、「置く場所がない」という理由で、中古市場では需要そのものがほとんどなくなってしまっているのです。

少し残念な結果ではありましたが、こうした「今の市場のリアルな現状」を丁寧にご説明したところ、売主様にもご納得いただき、気持ちよく処分へと進めていただくことができました。「高そうに見えるものが、必ずしも高く売れるわけではない」。それでも、少しでも良い形に進められないか、まずは一緒に確認してみる。私たちが大切にしているのは、そうした地道な姿勢です。

遠方だからこそ重くのしかかる、5つの負担

遠方の実家の片付けや売却に伴う重い負担をシーソーで表現したイラスト
遠方から抱えるには重すぎる、実家の片付けと手続きの負担。

実家の片付けや売却は、近くに住んでいても大変な作業です。それが遠方となると、負担はさらに大きくのしかかってきます。実際にご相談をいただく中でよく耳にする、5つの負担をご紹介します。

①そもそも何から始めればいいのか分からない

「荷物の処分が必要」「更地渡しの場合は解体が必要」。こうした売却の実務は、経験したことがなければ知らなくて当然のことです。ただ、何も知らされないまま話が進んでいくと、「今、何が起きているのか」「この先何をすればいいのか」が見えず、漠然とした不安だけが募ってしまいます。

②信頼できる業者を、自分で探して比較する難しさ

不用品回収業者は数多くあり、対応の丁寧さや査定の誠実さもさまざまです。遠方にいながら、口コミや情報だけを頼りに信頼できる業者を見極め、複数社に連絡を取って条件を比較するのは、想像以上に手間のかかる作業です。

③見積もりや査定の場に、自分は立ち会えない

「これは残しておいてほしい」「ここは丁寧に扱ってほしい」。そうした要望を、現地に行けないまま業者に正確に伝えるのは簡単ではありません。立ち会えない分、「思っていたのと違う対応をされていないか」という不安もつきまといます。

④作業がどう進んでいるのか、逐一は分からない

実家が今どうなっているのか、片付けは順調に進んでいるのか。現地から離れているからこそ、状況が見えないことへのもどかしさを感じる方は少なくありません。

⑤解体業者への引き継ぎまで、自分でできるか不安

荷物の処分が終わった後、室内の状態を確認し、解体業者へスムーズに引き継ぐという作業も必要です。これを遠方から一人で調整するのは、決して簡単なことではありません。

これらはすべて、遠方にお住まいだからこそ生まれる、特有の悩みです。次の章では、こうした負担一つひとつに対して、私たちがどのように向き合い、代行してきたのかをご紹介します。

遠方にいながら、立ち会いゼロで完結を目指す。 私たちのサポート内容

手前の人物が操作するスマートフォンから小さなスーツ姿のスタッフが飛び出し、奥にいる家屋キャラクターの点検に向かうフラットイラスト
鍵の受け取りから作業の立ち会い、業者への引き継ぎまで、現地の対応はすべてお任せいただけます。

先ほどご紹介したような「遠方ならではの負担」を、少しでも軽くしていただきたい。そんな思いから、私たちは不動産会社として、売却に関わる実務全体を売主様に代わってサポートさせていただいています。

今回のお客様のケースでも、実際に行った内容をご紹介します。

①ヒアリング&ご説明:まずは売却の流れと実務を、事前にしっかりお伝えする

私たちは不用品処分の専門業者ではなく、あくまで不動産会社として、売却をサポートする立場です。だからこそ大切にしているのが、「これから何が起こるのか」「どんな手順で進むのか」を、お電話やZOOM、メールなどで事前にきちんとご説明することです。荷物の処分が必要になること、更地渡しの場合は解体が必要になること。お客様が知らずに困ってしまいそうなポイントを先回りしてお伝えすることで、少しでも不安を減らせるよう心がけています。

②業者手配:これまでの経験から信頼できる業者さんを選び、見積もりにも立ち会って代行

不用品回収業者さんは、対応の丁寧さや査定の誠実さに差が出やすい部分です。これまで数多くの現場を担当してきた経験をもとに、安心してお任せできる業者さんを選定しています。

③現地対応:鍵の受け取りから、当日の立ち会い、査定の同席まで

作業当日は、私が現地で鍵を開け、業者さんの作業に立ち会います。婚礼タンスの査定のような「その場での判断」が必要な場面にも、責任を持って対応します。

④報告:見積もり内容のご説明と、作業後の状況を書面でまとめてご報告

見積もりが出た段階では、金額や内容について、お電話やメールで分かりやすくご説明します。「なぜこの金額になるのか」「買い取れるものはなかったのか」といった点も、丁寧にお伝えするようにしています。

また、作業当日の様子やその後の室内の状況については、写真とあわせて書面にまとめてご報告しています。逐一のご連絡が難しい作業も多いため、要所要所の状況を整理してお伝えすることで、後から見返してもわかりやすい形にしています。

⑤引き継ぎ:解体業者さんへ、スムーズにバトンタッチ

荷物の処分が完了したら、室内を確認し、写真に収めた上で、解体業者さんへ引き継ぎます。

今回のお客様には、遠方のご自宅にいながら、写真やメッセージでのご報告をご確認いただくだけで、解体前の準備をすべて終えていただくことができました。「現地に一度も足を運ばずに、ここまで進められるとは思わなかった」という、率直なお言葉もいただいています。

お客様の声・気持ちの変化

実家の片付けと売却が完了し、重い荷物(リュック)を下ろして笑顔で喜ぶ親子とお家のイラスト
実家の片付けから売却まで無事に進み、ご家族そろって心からの安心と笑顔に。

今回のお客様は、遠方にお住まいの娘様が窓口となり、ご高齢のお母様に代わって、実家の売却を進められたケースでした。売買契約やお引き渡しに関わる大切な書類については、お母様のご自宅に直接お伺いし、対面で丁寧にご説明しながら進めさせていただきました。

一方、娘様とは、お電話やメールでのやり取りが中心です。当初は「本当に現地に行かなくても大丈夫なのだろうか」というご不安もあったかと思います。ご高齢のお母様おひとりに大切な手続きをお任せする形になるため、なおさらだったはずです。

しかし、荷物の処分状況や契約の進捗を、都度ご報告していく中で、少しずつ安心していただけたようでした。

売買のお申し込みをいただいた際には、「想像以上に早く買い手がついて、本当に驚きました」「小川さんにお願いしてよかったです。本当に安心しました」という、率直で嬉しいお言葉をいただきました。

遠方にお住まいだからといって、実家の売却を諦めたり、無理に帰省を重ねたりする必要はありません。ご高齢のご家族が現地にいらっしゃる場合でも、私たちが窓口となり、対面でのやり取りが必要な場面は責任を持って対応いたします。そのことが、離れて暮らすご家族にとって、少しでも安心材料になれば。そんな思いで、日々の業務にあたっています。

よくある質問

実家を売却するのに、解体は必ず必要ですか?

いいえ、必ずしも解体が必要というわけではありません。古家付きのまま売却を進めることも可能です。ただし、買主様の希望や物件の状態によって「更地渡し」という条件がつくことが一般的です。どちらが適しているかは物件ごとに異なりますので、査定の際に個別にご説明しています。

「更地渡し」とは何ですか?

建物を解体し、更地の状態にしてから買主様に引き渡す契約条件のことです。老朽化が進んだ建物や、再建築を前提に土地を探している買主様が多い場合に、選ばれることの多い条件です。

解体前の荷物処分は、誰が手配するのですか?

解体業者とは別に、専門の不用品回収・処分業者が家の中を空にする作業を行います。荷物が残ったまま解体すると、産業廃棄物扱いとなり処分費用が跳ね上がってしまうため、事前に荷物を出しておく必要があります。

金沢の実家を、遠方に住んでいても売却できますか?

はい、可能です。荷物の仕分けや業者手配、査定の立ち会いなどを不動産会社が代行することで、現地に足を運ばなくても、売却を進めることができます。

ご高齢の家族が実家に住んでいる場合、遠方に住む自分が窓口になれますか?

はい、なれます。ご高齢のご家族との対面でのやり取りが必要な場面は不動産会社が対応し、遠方にお住まいの方とは電話やメールで連絡を取り合いながら進める形が可能です。

立ち会いなしで、解体前の片付けを終えることはできますか?

はい、可能です。業者の手配から見積もりの立ち会い、作業後の状況報告まで不動産会社が代行することで、現地に一度も行かなくても片付けを完了できます。

まとめ

実家の片付けや売却は、誰にとっても初めての経験ばかりです。まして遠方にお住まいであれば、「何から手をつければいいのか分からない」「そもそも自分に判断できるのだろうか」と、不安に感じるのは当然のことだと思います。

今回ご紹介したように、荷物の処分ひとつをとっても、実際にはさまざまな実務や判断が必要になります。ですが、それをすべてお一人で抱え込む必要はありません。ご高齢のご家族が現地にいらっしゃる場合も、遠方にお住まいで窓口を担われる場合も、私たちが丁寧にサポートしながら、一つひとつ進めてまいります。

「まだ売るかどうかも決めていない」「何から相談すればいいか分からない」。そんな段階でも大丈夫です。まずは今の状況を聞かせていただくだけでも構いません。気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。

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