レインズってそもそも何?
売却の時にどう関係するの?
自分たちはどう活用すればいいの?
こういった疑問に答えます。
- レインズの仕組みと役割
- おすすめの活用方法
このコラムを書いている私は、
15年以上不動産業に携わっていて
1000件以上の相談実績があります。
レインズとは?売主の活用方法を解説
不動産会社に売却の相談に行ったとき、
「レインズ」という聞きなれない言葉を耳にした経験はありませんか?
不動産会社の営業マンが言っていたレインズってなんだろう…?
と疑問に思う方は多いはずです。
今回は、不動産売却を検討している方やレインズがどのようなものか知りたい方に向けて、レインズの仕組みや役割、活用方法を説明します。
レインズとは?
不動産会社が閲覧するデータベースに、レインズと呼ばれるネットワークシステムがあります。
不動産会社はレインズを閲覧することで新着公開物件の確認や査定額の参考にしていています。
- レインズとは
- 全国に4つのレインズ
- 何ができる?
- メリット
- デメリット
順番に説明します。
レインズとは
レインズとは全国の不動産情報を結ぶネットワークシステムです。
このシステムは国土交通大臣から指定を受けた公益財団法人である不動産流通機構が運営しています。
レインズ(REINS)はReal Estate Information Network Systemの略です。
不動産取引を行なう上でなくてはならないインフラとなっています。
特に売買を対象とした取引で使われます。賃貸での取引ではポータルサイトを利用する不動産会社が多く、レンズはあまり利用しません。
全国に4つのレインズ
レインズは4つのエリアに分けて運営されています。そして、それぞれ組織団体が違います。
(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県
(公社)中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県
(公社)近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県
(公社)西日本不動産流通機構(西日本レインズ)
鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県
何ができる?
- 市場に出ている販売中の物件を見ることができる
- 過去にいくらで売れたかの成約価格がわかる
レインズは不動産会社のみが閲覧できます。
そして、不動産会社のみが登録できるシステムです。
一般の方は見ることが出来ませんが、「REINSMarketInformation」というサイトでは、過去の取引事例を一般の方でも無料で見ることが出来ます。
しかし、個人情報の問題からレインズ程の具体的なデータはわかりません。
メリット
- 早期売却
- 業務の効率化
- 囲い込み防止
早期売却
レインズを利用すればスムーズな早期売却が可能です。
レインズに物件情報を登録すると、全国の不動産会社と情報を共有できるからです。
レインズに登録するだけで不動産会社を通じて幅広い層の購入希望者に訴求でき円滑な早期売却の成立を目指せます。
業務の効率化
不動産会社の業務の効率化ができます。
レインズの登録情報を見れば、物件情報、販売図面、多数の写真など一定の情報を得ることができます。元付の不動産会社に連絡しなくても購入希望者がいればその内容をすぐ報告することができます。
囲い込み防止
「囲い込み」の問題を防止することができます。
レインズへの登録を義務づけることにより、媒介契約を締結した不動産会社に対する業務のチェックを図ることができるからです。
デメリット
- 不動産会社しか見れない
- 一般媒介の場合、登録義務がない
- 情報が限られるケースがある
不動産会社しか見れない
レインズの具体的な情報は不動産会社しか見れません。
過去の成約事例などの具体的な事例は不動産会社しか見ることができないので売却を検討している売主からすれば査定根拠の成約事例が本当かどうかを確かめようがありません。
一般媒介の場合、登録義務がない
一般媒介の場合、レインズへの登録は不動産会社の任意になります。
レインズに登録をされなければ物件情報を業者間で情報共有できないので囲い込みが行なわれる可能性があります。
情報が限られるケースがある
レインズに登録する情報は不動産会社次第です。
不動産業者によっては両手仲介を狙うために最低限の情報しか登録していない業者もあります。物件情報の内容が薄ければ購入希望者に詳しい内容を知らせることが出来ません。
注意
残念ですがレインズに登録されない物件もあります。
不動産会社のHPや物件ポータルサイトに登録されている物件情報では、取引態様が「専任媒介」もしくは「専属専任媒介」と表示されています。しかし、レインズを確認してみると、そのような物件は登録されていません。
悪質な「囲い込み」会社です。
不動産情報は多くの不動産会社が共有することによって早期売却が実現されます。登録していない会社には気を付けたいものです。そして、レインズに登録されない物件もあるという知識を知って、証明書で確認したりして自己防衛しましょう。
レインズの役割
レインズは売主が依頼した不動産会社がレインズに情報を登録することで他の不動産会社も物件情報を確認することができ、1件の不動産を同エリアにある全ての不動産会社で買い手を探す仕組みになっています。
では具体的にどんな役割があるのでしょうか?
- 情報の一元化
- 登録義務
- 取引事例の蓄積
- 安全な取引
- その他
順番に説明します。
情報の一元化
不動産業界内で情報の一元化をすることでスピーディに物件を探したり売却することができます。
それぞれの不動産業者が独自の情報管理をしてしまえば物件情報が広がることはありません。
レインズに物件情報を登録されれば全国の不動産会社がその情報を見ることができます。
石川県の物件でも北海道の不動産会社からお客様を紹介できます。沖縄からだって地元の不動産会社に問い合わせすれば石川県の物件のことが詳しくわかります。
不動産情報の一元化をすることでスピーディに物件を探したり売却することができます。
登録義務
マイホームなどの売却を依頼する場合、不動産会社と媒介契約を締結する必要があります。売却契約には3つの種類あり、契約の種類は以下の通りです。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
専属専任媒介契約だと5日以内、専任媒介契約だと7日以内に不動産会社はレインズへ登録しなければいけません。登録すると売主に登録証明書を発行できます。
取引事例の蓄積
過去の取引事例を知れば適正価格で取引できます。
査定をおこなう際に参考にするのがレインズの成約事例です。豊富な取引事例の蓄積がレインズであれば事例を比較して適正価格がわかります。
適正価格を把握できなければ安く売却されたりする可能性があります。
安全な取引
レインズを利用すれば安全な取引ができます。
媒介契約を締結しても、情報を開示しない不動産会社などがときどきありますが、レインズの会員は非常に多く、不動産情報を多くの不動産会社が共有することによって安全で安心な取引ができます。
物件情報を公開することによって囲い込みも防止できます。
その他
一般人はレインズの全てを閲覧することはできませんが、土地以外の成約情報を確認することができるサイトはあります。
指定流通機構が運営しているHPで、「REINSMarketInformation」というサイトです。
住んでいるエリアの戸建がどのくらいの価格帯で取引されているのかを把握することができるサイトになっています。
検索したい建物種別や地域を選択する
↓
エリアごとの過去の取引価格を確認できる
おすすめの活用方法
レインズは原則不動産会社が閲覧するシステムとなっていますが、一般の方は閲覧禁止というわけではありません。
- 登録状況を確認→囲い込みを防ぐ
- 最新の販売状況を確認するツール
売主ができるおすすめの活用方法をご説明します。
登録状況を確認→囲い込みを防ぐ
不動産会社は売主から不動産売却の依頼を専任もしくは専属専任で受けた場合にはレインズに情報をアップロードする義務があり、売主に登録証を渡さなければなりません。
その登録証を活用して「取引状況」を確認することができます。
定期的に取引状況を活用することによって「囲い込み」を防ぐことができます。
最新の販売状況を確認するツール
レインズには殆どの不動産情報がアップロードされており、不動産会社は日々閲覧するシステムとなっています。
不動産会社に依頼してレインズから近隣の販売状況の最新情報をもらいます。最新のライバル物件のチェックをすれば販売価格の見直しなどができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
レインズってそもそも何?売却の時にどう関係するの?自分たちはどう活用すればいいの?という疑問に対してレインズの仕組みと役割、おすすめの活用方法をご説明しました。
上記の通り「囲い込み」の被害に合わないためにも売主もレインズを積極的に活用したいものです。
また、レインズは不動産会社の売却活動をサポートする最強ツールです。パートナーである不動産会社の担当者と画面の見方から情報共有をしてはいかがでしょうか?