
大切な家族が亡くなった後、その遺産や退職金についてどのように対処すればよいのか、不安に感じる方は多いでしょう。
特に、死亡退職金が相続税の対象となるかどうか、事前に知っておくべき情報は何か、といった疑問は非常に重要です。
この記事では、死亡退職金と相続税の関わり、具体的な計算方法について分かりやすく説明します。
また、死亡退職金に関してよくある質問もまとめました。
この記事を身近な人への相続手続きやご自分の相続対策のヒントにして下さい。
死亡退職金とは

死亡退職金とは、労働者が死亡した場合に企業が遺族に対して支給する退職金のことです。
これは通常の退職金とは異なり、労働者本人が受け取ることはできず、遺族に対して支払われるものです。
通常の退職金は労働者本人に支払われますが、死亡退職金は遺族に対する特別な支給です。
相続税の課税対象になる?
死亡退職金は、相続または遺贈により取得したものとみなされ相続税の課税対象となります。
しかし、相続人が受け取った退職手当金等は、その全額が相続税の対象となるわけではありません。
ここでは、相続税の課税対象としての死亡退職金について、詳しく解説します。
まず、すべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が非課税限度額以下の場合、課税はされません。この非課税限度額は、次の式により計算されます。
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
例えば、法定相続人が3人いる場合、非課税限度額は500万円×3=1500万円となります。
つまり、相続人全員で取得した退職手当金等の総額が1500万円以下であれば、その金額は相続税の課税対象にはなりません。
一方、相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありませんので、その全額が相続税の課税対象となります。この点も注意が必要です。
FAQ:よくある質問

死亡退職金は、労働者が死亡した際に企業から遺族に支給される特別な退職金です。
この死亡退職金は、遺族の生活を支える重要な資金源となりますが、相続税の課税対象となる場合があるため、その取り扱いについて事前に理解しておくことが重要です。
ここでは、よくある質問をまとめました。
Q:相続放棄をした人の分も相続人の数に含めてもいいですか?
法定相続人の数は相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
Q:養子がいる場合はどうすればいいですか?
法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。
Q:死亡退職金は源泉徴収されますか?
通常の退職金の場合は、「所得税」が課税されますが、死亡退職金については、「相続税」の課税対象となるため所得税の徴収(源泉徴収)はされません。
Q:退職金はいつまで相続財産として扱われますか?
被相続人の死亡日から3年以内に給付が確定したものを相続財産として扱います。3年経過したものは所得税の課税対象になります。
Q:弔慰金との違いは?
弔慰金とは故人を弔い、遺族を慰めることを目的として公的機関や法人が遺族に支給する金銭のことです。弔慰金は相続財産には当たらず、原則非課税です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では、死亡退職金と相続税の関わり、具体的な計算方法について分かりやすく説明しました。また、死亡退職金に関してよくある質問もまとめました。
死亡退職金は、労働者が死亡した際に企業が遺族に支給する退職金で、遺族の生活を保障するための重要な資金です。
しかし、相続税の課税対象となるため、事前にその計算方法や非課税限度額について理解しておくことが重要です。
この記事を通じて、死亡退職金の基本知識と相続税との関わりについて理解を深め、身近な人の相続手続きやご自身の相続準備に役立てていただければ幸いです。
適切な準備をすることで、相続手続きをスムーズに進めることができ、大切な家族をしっかりとサポートすることができます。
ぜひこの記事を、相続手続きのヒントとしてお役立てください。