解体の見積もりに現地の立ち会いは必要?白山市の空き家で解体方法を見直した事例

結論から申し上げると、立ち会いは必要です。ただし、遠方にお住まいのご家族ご本人が現地へ行く必要はありません。現地をきちんと見て、解体業者さんと一緒に判断できる人がいれば、任せていただいて大丈夫です。

解体の見積もりに現地の立ち会いは必要?
解体の見積もりに現地の立ち会いは必要?

解体は、空き家の売却に関わる費用の中でも、特に金額の大きいものです。それなのに、遠方にお住まいの方は現地を見ることができません。提示された見積もりが妥当なのか、ほかの方法はないのか、判断のしようがないというのが正直なところだと思います。

今回は、大阪にお住まいのご家族からご依頼いただいた白山市の空き家で、解体の見積もりを取ったときの事例をご紹介します。同じ建物でも、現地で誰がどう見るかによって解体の方法が変わり、見積もり金額に58.3万円の差が出ました。どのような状況で、どう判断し、ご家族にどうお伝えしたのか、順を追ってお伝えします。

自己紹介
元ホテルマンで、現在は石川県を中心に不動産業を営んでいる代表の小川です。

私自身、埼玉県の実家を、石川県に住みながら売却した経験があります。遠方からの実家売却がどれほど大変か、身をもって知ったからこそ、同じ状況にある方の力になりたいという思いで、日々の業務にあたっています。

このブログでは、実際の現場でのリアルなエピソードを通じて、遠方から実家売却を考えていらっしゃる方に、少しでもヒントをお届けできればと思っています。

この記事でわかること
  • 解体の見積もりで、現地の立ち会いが必要な理由 
  • 遠方にお住まいでも、ご本人が現地へ行かなくてよいこと 
  • 建物の状態が良ければ、解体を前提にせず売り出す方法もあること 
  • 手壊し解体と機械解体の違いと、それぞれのメリット・デメリット 
  • 解体の方法は、敷地の広さや周りの環境など、現地の状況で決まること 
目次

ご依頼の状況と、最初の見積もり(立ち会いなし・手壊し解体)

ご依頼の状況と、最初の見積もり(立ち会いなし・手壊し解体)
ご依頼の状況と、最初の見積もり(立ち会いなし・手壊し解体)

今回の空家は、白山市にある築33年の一戸建てです。名義人はご高齢のお母様で、金沢市にお住まいです。売却に関するやり取りの窓口は、大阪にお住まいの娘さんが担ってくださっていました。

こちらの物件を内見させていただいた際に、確認した建物の状態は次のとおりです。

確認したこと状態判断
築年数築33年築年数だけで解体を決めず、建物の状態を確認
外観とても綺麗建物付きでも売り出せる
雨漏りなし建物付きでも売り出せる
室内良い状態建物付きでも売り出せる

空き家の売り出し方には、主に次の3つがあります。

売り出し方どんな方法か売主様の費用向いているケース注意点
土地建物のまま売る建物を残した状態で売り、そのまま引き渡す解体費はかからない建物の状態が良く、そのまま住みたい方やリフォームしたい方に届く場合建物の不具合の扱いを、契約で取り決めておく必要がある
更地渡しで売る建物付きで売り出し、契約後に売主様が解体して土地だけで引き渡す解体費がかかる(売却代金で清算することも可能)土地として探している方に届けたい場合契約から引き渡しまでに、解体の期間が必要
先に解体してから売る解体して更地にしてから売り出す解体費が先にかかる土地として見てもらいやすくしたい場合売れるまでの間、固定資産税が上がる可能性がある

こちらの物件を内見させてもらった際、建物は見た目がとても綺麗で、雨漏りもなく、室内も良い状態でした。そこで、最初から解体を前提にするのではなく、土地と建物をそのまま売り出すことも並行しましょうと提案しました。あわせて、建物を解体して土地だけの状態でお引き渡しする「更地渡し」の場合にも備えて、解体業者さんに見積もりを依頼しました。

最初にお願いした解体業者さんは、「現地はこちらで見ておきます」という対応で、立ち会いなしで現地を確認し、見積もりを出してくださいました。内容は手壊し解体で、金額は税込352万円でした。

手壊し解体とは、重機を使わず、職人さんが手作業で少しずつ建物を壊していく方法です。隣の家との距離が近い場合や、前の道路が狭くて重機が入れない場合などに選ばれます。周りへの振動や音を抑えやすい一方で、人手と日数がかかるため、費用は高くなりやすい傾向があります。

正直に申し上げると、この金額を見たとき、私自身も「そんなものかな」と受け止めていました。一般的な解体費用の平均坪単価と同じぐらいでしたし、手壊しという方法にも、金額にも、その時は、特に疑問は持っていませんでした。

別の解体業者さんとの現地立ち会い

別の解体業者さんとの現地立ち会い
別の解体業者さんとの現地立ち会い

その後、ある業者さんから勧められて、もう1社の解体業者さんにも見積もりをお願いすることにしました。

この業者さんが現地を見に来られた際は、私も立ち会い、事情を説明し一緒に建物と敷地をまわりました。そこで業者さんがおっしゃったのが、「敷地が広いし、周りに家もないので、重機を使った機械解体で大丈夫そうですね」というひと言でした。

最初の見積もりでは手壊し解体でしたが、現地で敷地の広さや周りの状況を一緒に確認したことで、別の方法が選べることが分かったのです。

どちらの業者さんの判断が正しい、間違っているということではありません。解体の方法は、建物そのものだけでなく、敷地の広さや周りの環境によって変わります。だからこそ、現地で実際に見ながら、業者さんと話をすることに意味があるのだと、あらためて感じました。

機械解体への見直しと、見積もり金額の差

2社目の解体業者さんからいただいた見積もりは、機械解体で税込293.7万円でした。最初の見積もりの税込352万円と比べると、58.3万円の差です。

機械解体とは、重機を使って建物を壊していく方法です。手作業で少しずつ壊す手壊し解体に比べて、作業の日数が短く、人手も少なくて済むため、費用を抑えやすくなります。その一方で、重機を入れられるだけの広さや進入路があること、周りの建物への影響が少ないことなどが条件になります。

参考までに、手壊し解体と機械解体の違いを表にまとめました。 

比べる点手壊し解体機械解体
特徴職人さんが手作業で少しずつ壊す重機を使って建物を壊す
費用人手がかかるため高くなりやすい抑えやすい
工期長くなりやすい短く済みやすい
振動・音比較的少ない大きくなりやすい
メリット狭い場所や、隣の家が近い場所でも作業できる費用と日数を抑えやすい
デメリット費用が高く、日数もかかる重機が入れる広さや進入路が必要で、周りへの配慮も必要
選ばれやすいケース前の道路が狭い、隣の家との距離が近い、重機を置く場所がない敷地が広い、前の道路に余裕がある、周りに建物が少ない
判断のポイント敷地の広さ、前の道路の幅、隣の家との距離、電線などの障害物

なお、機械解体の場合でも、建物の中の内装材などは手作業で分別してから重機で壊すのが一般的です。実際の現場では、どちらか一方だけでなく、状況に合わせて組み合わせて進めることもあります。 

今回の建物は、敷地が広く、周りに家もありませんでした。この条件が現地で確認できたからこそ、機械解体という方法を選ぶことができました。

同じ建物でも、どの方法で解体するかによって、見積もり金額は大きく変わります。そして、その方法を決めるのは、図面や写真だけでは分かりにくい、現地の状況です。

ご家族へのご報告

見積もりがそろったところで、まずは窓口になってくださっている大阪の娘さんに、メールでご報告しました。

その後、金沢市にお住まいのお母様のもとへ、見積書を持って直接ご説明に伺いました。ご高齢のお母様にとっては、解体の方法や金額の話を一人で受け止めるのは負担になりかねません。そこで、「娘さんにはすでにご報告しています」とお伝えしてからお話しするようにしました。そのひと言で、お母様にも安心して聞いていただけたように思います。その後、娘さんからも「安心しました」とお返事をいただきました。

スクロールできます
機械解体後の更地の状態。
お忙しい方なので、相手の時間を奪わないように、スマホのショートメールを中心に 連絡、書類などあるときはメールで対応をお願いしました。

ご家族が離れて暮らしている場合、誰に、どの順番で、どのようにお伝えするかも大切なことです。取引の窓口となる方、名義人の方、それぞれのお立場に合わせてご報告することを心がけています。これからもご事情をきちんと事前に確認して配慮していきたいと思います。

解体の見積もりで、現地の立ち会いは必要ですか?

解体の見積もりでは、現地の立ち会いは必要です。解体の方法は、建物だけでなく、敷地の広さや周りの環境、重機が入れるかどうかといった現地の状況で決まり、その方法によって見積もり金額が大きく変わるからです。今回の事例でも、立ち会って業者さんと一緒に現地を見たことで、手壊し解体から機械解体への見直しができ、見積もり金額に58.3万円の差が出ました。

ただし、遠方にお住まいのご家族ご本人が、わざわざ現地へ足を運ぶ必要はありません。大切なのは、現地をきちんと見て、業者さんと話しながら判断できる人が立ち会うことです。

立ち会いの方法内容気をつけたいこと
ご本人が現地へ行くご自身の目で確認できる移動の時間と費用がかかり、何度も通うのは難しい
立ち会いなしで業者さんに任せる業者さんだけで現地を確認する現地で相談しながら方法を決めることができない
代わりに立ち会う人に任せる不動産会社などが立ち会い、内容の報告を受ける誰が立ち会い、どのように報告してもらえるかを事前に確認しておく

イシトチ不動産では、遠方にお住まいのご家族に代わって、解体業者さんの現地確認への立ち会い、複数の業者さんへの見積もり依頼、見積もり内容のご報告までを行っています。ご報告は、ご家族の状況やお立場に合わせて、メールや直接のご説明などでお伝えしています。

遠方にお住まいだと、解体の見積もりひとつをとっても、「この金額で本当に大丈夫なのかな」「現地に行けないけれど、任せてしまっていいのかな」と、不安になることが多いと思います。

現地のことは、現地で見て、確かめてからお伝えします。ご実家や空き家のことで気になることがあれば、まだ売るかどうか決まっていない段階でも構いません。いつでも気軽にご相談くださいね。

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「うちの実家の場合はどうなるのだろう」と気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。

ごあいさつ

私たちは金沢市・野々市市を中心とした石川県エリアで、実家や空き家の相続・名義変更から売却・片付けまでをワンストップでサポートしている不動産会社です。

もともと親族や知人から相続や不動産の相談を受けることが始まりでした。「相談して肩の荷が下りた」と喜ばれるうちに、同じように悩む多くの方に安心を届けたいと考え、事業として本格的にスタートしました。

代表である私自身も、石川県にいながら遠く離れた埼玉の実家を売却した経験があります。「遠くて通えない」「家の中に荷物が残っている」「誰に頼めばいいかわからない」という不安や戸惑いは、まさに私自身が肌で感じてきたことです。

だからこそ私は、元ホテルマンとしての丁寧な心配りと、身内を大切にする心を胸に、お客様一人ひとりの状況を丁寧に整理します。名義変更の手続きはもちろん、荷物の処分や売却の準備まで、遠方にお住まいの方の「目と足」となってサポートいたします。

「まだ売るかどうか決めていない」「何から手をつければいいかわからない」という段階でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。

代表 小川

※本記事では、不動産実務や相続に関する一般的な情報をわかりやすくご紹介していますが、税法や制度は改正されることがあり、実際の手続きや税金の取り扱いはケースによって異なります。実際に相続が発生した場合や、具体的な対応をご検討の際は、税理士・司法書士などの専門家にご相談いただくことをおすすめします。

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